
目次
赤外線サーモ画像と可視画像の説明
※ 今回のサーモ画像はレインボーカラーを使用しています、
高温(温度の高い)の赤外線サーモ画像は(赤系の暖色系)
低温(温度の低い)の赤外線サーモ画像は(青系の寒色系)
で表現されます。
① 外壁部(2階ベランダ)の雨水の侵入の様子
外壁塗装の劣化による、外壁に雨水が侵入している様子
赤丸部に雨水の侵入がわかります。
・水泡の位置から、バルコニーの立上(笠木部)とバルコニーの裏側からの雨水の侵入が考えられます。
・バルコニー側・外壁側からの亀裂、カケ、劣化のチェックを行います。
・バルコニー妻側の笠木の防水性能のチェックを行います。

雨水の侵入方向から見ると
バルコニー笠木の壁側より雨水が侵入している可能性が高いので、
仮設足場を組んだ後に再チェックを行います。
② 外壁部(2階)の雨水の侵入の様子
妻面(ツマメン)上部にも雨水の侵入または塗装の剥離(ハクリ)と思われる様子が、赤外線(サーモ)画像から予測されます。
・可視画像からは判断しづらいですが、赤外線サーモ画像から見ると、晴天状態なのにもかかわらず青色が濃く表れていて、一度侵入した雨水が塗装とコンクリート面との間に滞留しているのがわかります。

外壁塗装の劣化と妻面のパラペット部(裏面)、
また、笠木部の劣化による雨水の滞留です。
塗装の劣化の処理を行ってから(雨水の侵入を止めてから)
外壁塗装を行います。
③ 2階ベランダ立上の雨水の侵入の様子
ベランダ笠木または鉄製の手すりからの雨水の侵入と思われますが、複合の雨漏れも注意が必要です。
通常は、2階ベランダの壁面の塗装の状態は問題ないように見えます。
①の手すりまたはバルコニーの立上部と同様の水泡の状態から、ベランダの笠木部からの雨水の侵入が予測されます。

10年以上前に流行した弾性塗料(ダンセイトリョウ)の問題点は、壁面内部の結露や、
内側から押し出される雨水にはかなり非力で、弾性塗料も最近は
微弾性塗料(ビダンセイトリョウ)が主流になってきています。
④ 2階ベランダの雨水の侵入の様子
2階ベランダ、側溝の雨水の侵入と思われる様子
③の上部のベランダ、側溝の雨水の侵入の様子が赤外線画像からわかります。
通常、笠木の劣化、ヒビ割れ、カケがあると雨漏れのポイントと決めたいのですが、赤外線サーモ画像を確認します。
側溝に広がって雨水が滞留しているのが、赤外線サーモ画像から見受けられます。(赤丸)
このように水色に広くひろがっている低温部に雨水の滞留を予測します。

③、④の診断調査から、
①外壁塗装②ベランダ防水③鉄製手すりの結露水に注意が必要です。
⑤ 鉄筋コンクリート造一体の横樋の劣化による雨漏れの様子
一見、塗装の劣化のように見えますが、鉄筋コンクリート造の防水性能の劣化により、雨水が侵入してきている様子
鉄筋コンクリートの軒に防水を施して(横トイ)として雨水を流していたのですが、防水性能がなくなって塗膜を破って、漏水を起こしている状態です。

塗装の劣化に見えていますが、
赤外線サーモ画像の青色に見えている(低温になっている)部分に雨水の滞留している状態が見えます。
一級建築士・診断士が行う外壁診断

外壁塗装・外壁リフォームでは、工事の前に建物の劣化・雨漏れの原因を知ることが大切です。
「劣化・雨漏れ(及びその予備軍)」を特定せずに安易に工事をしてしまうと、短期間で雨漏り・不具合の再発につながります。
下記のような方はまず外壁診断をご検討ください。
- 建物の劣化が気になり始めたので、プロに家の状態を診断して欲しい方
- 台風や大雨のダメージで、建物の雨漏れ・亀裂に不安がある方
- 慢性の雨漏れに悩んでいる方